個人的に大きな決断をした9月。少し長いお休みをもらい、体のメンテナンスをしていました。出来ることが限られていたので、冊数は少ないですが濃厚な読書をしていました。
・よって件のごとし 三島屋変調 百物語八之続 宮部 みゆき
文庫でも結構分厚い本。三島屋シリーズ第8作目。今回は3つのお話が載っています。どれも面白かった。1話完結の内容がほとんどですが、主人公とその周りの人たちとの関係も更新されているので、是非、一巻目から読んでみて欲しいです。今作で、一旦お休みになるような内容がありますが、単行本は9作目が発売されています。
きたきた捕物帖の2作目の文庫が夏に発売され、来週は単行本で最新作が発売される予定です。読みたい本が着々と増えていきます。
・二つの祖国 上・中・下 山崎 豊子
積読最後の本はこの超大作。1冊500ページ以上ある読み応え抜群の3冊。日米戦争時、アメリカにいた日系二世の立場や苦悩について描かれた本です。「大地の子」を読んでから、争いの背景に民間人がどのような状況だったのか知りたくなり史実に近いであろう小説が気になるようになりました。巻末にはびっしりと参考資料が掲載されていて、膨大な情報が集約されているような気がしています。
アメリカにおける日系人強制収容所の実態、極東裁判の様子や裁判時に「モニター」という立場で裁判に参加していた日系人がいた事実。率直に言うと、衝撃でした。あくまで小説なので、フィクションを含めた話であることはわかっていますが。これまで、日本を主とした悲惨さを毎年ニュースなどで知ることはありましたが、読み終えて、海外での日本人の様子はこれほどまでに過酷だったのかと思い知らされました。
学生の頃の授業では、近代史については1,2か月程度しか触れる機会がなく表面的なことをさらっとやって終わり。特に違和感もなく社会人になり・・・社会に出ると、歴史や政治経済、世界情勢について知っておかないと会話にならないことも多くあります。今思うと、近代史や政治経済についてもう少し力を入れて学ぶべき内容だったと痛感。今からでも遅くはないと思って知る努力をしていきたいです。
山崎豊子さんの戦争三部作と言われる最後は「不毛地帯」・・・ちょっと軽めの本を読んで気持ちをほぐしてから、挑戦したいと思います。9月はなかなか濃ゆい読書月間でした。
10月25日から東京千代田区・神保町で開催される『神田古本まつり』が開催されます!今年は行ってみたい。
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