今年の暑さは異常なほどで、先日の北海道で40度になったのは驚きました。6月は梅雨らしい天気が少なく、暑さゆえに家にいることが多かったので、読書時間もそれなりに確保でき、結構読んでいました。
・漢方小説 中島 たい子

主人公は30代前半の女性。体調不良で検査しても異常がないため通うことになった漢方診療のお話。漢方の考え方の予備知識があった方が読みやすいですが、知識が無くても物語としても楽しめる小説です。女性の30代は揺らぎやすい時期。30代で厄年が2回あるのも、体や心が大きく変化する所以でしょうか。大切なのは自分に合った養生を見つけること。体質が色々あるように、一人一人の弱点も色々。養生の仕方の相談も漢方診療ではアドバイスできるので、気になることがあれば漢方外来や薬局で相談してみてください。
巻末にある参考文献の三浦於莵先生の『東洋医学を知っていますか』という本は初心者の方にも読みやすくオススメです。
・風の港 村山 早紀

本の帯と題名に惹かれて購入した一冊。舞台は”空港”、そこを行き交う人や働く人のお話です。旅立つ人、思い出を振り返る人、後悔を抱えた人、別れを決めた人。人生を旅に見立て、空港を区切りの場として物語が進行していきます。空港には一時期はよく遊びに行っていました。空をかける飛行機が目の前で見られること、日常とは違う場所にいることで特別な雰囲気を味わうために。あの頃のことを思い出し、今日も色んな思いを抱えた人が行き交っているのだろうなと思いを馳せています。様々な立場の人が登場するので、読み終えた後はそっと背中を押してくれる風がきっと吹いてくれると思います。
・本屋のミライとカタチ 北田 博充

出版社”書肆汽水域”の代表である著者の本。『これからの本屋』をさらに掘り下げ広げた内容です。本屋さんの減少と読書離れが言われる中、『これからの本屋』では書店や書店員・本に関連した方々のインタビューが載っていましたが、こちらでは新しい方向・角度から”本を読む”ことを提案している方々のインタビューが乗っています。その中で”異業種✖️本屋”の一例として”薬局✖️本屋”を実際に経営されている方がいて、私も薬局内に自分の好きな本を並べているので、この斬新なアイデアに驚きました。機会があれば行ってみたいのですが、処方箋がないと入りにくいのかが気になるところ・・・。
ちょうど1年半前に『これからの本屋』は重版。小さな出版社から出た、大事にしている本が重版になるのは嬉しい限りです。
・脳はバカ 腸はかしこい 藤田 紘一郎
ー※図書館で借りた本なので写真を撮り忘れました※ー
ある漢方薬の本でオススメされていたので図書館で借りて読んでみたところ、面白かったのでご紹介。
腸は第二の脳と言われていますが、著書は脳よりも腸の重要性を説いています。一部の生薬は腸内細菌によって活性化するので、腸内環境は漢方薬とも重要な関係性があります。
この本では腸の重要性を発生学や腸内細菌の観点から考察しています。また腸内細菌が子供の成長に与える影響、年齢に応じた食事内容の変化など様々な角度から腸との付き合い方について掘り下げています。私自身、生活や食事の見直しによって便秘が改善され、精神的な変化も実感したので腸内環境の重要性は体験しています。最近では腸内環境とうつ症状に関連性のあるデータも発表され、腸内環境はますます注目を集めています。専門的な内容もありますが、理解しやすい説明なので読みやすいと思います。
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今夏の暑さで、休みの日は家にこもるよう日々で積読がだいぶ減りました。こういう時、家で楽しめる趣味があってよかったなと思います。ただし、屋内にいても熱中症になるニュースが多くなりました。皆様、くれぐれもエアコンの温度や水分摂取(ミネラルも忘れずに!)に気をつけてお過ごしください。
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