つい最近のこと。階段の最後の一段を踏み外し、足を捻ってしまう出来事がありました。痛みはあるものの歩けるため、用事があったのでそのまま歩き続けると少しずつ痛みが強くなり、何か応急処置をした方がいいだろうと思いまずは湿布を購入。その場を凌ぎ、帰宅後は痛みがあるものの腫れずに済んでいましたが心配性ゆえに他にも対策できないかと色々調べてみたところ、応急処置の方法が新しくなっていて驚きました。

(↑痛みがあるのは足首と思いきや、足の甲でした。なぜ・・・)
・RICE /PRICEからPOLICEへ
高校の頃、ハンドボールに打ち込んでいた時に捻挫や筋肉・腱のトラブルは日常茶飯事。その頃に顧問の先生から教えてもらった応急処置は”RICE”でした。
R:Rest 休む・安静、I:Ice 冷やす・冷却、C:Compression 圧縮・圧迫、E:Elevation 持ち上げる・挙上
RICEの前にProtection:保護:を加えたのが”PRICE”という方法です。
現在では、安静にするよりも血流の改善や細胞修復を促すためOptimal Loading:適度な負荷という処置が取られ、RESTを置き換えた”POLICE”という方法が主流になってきているそうです。
手術後も安静にすることが推奨されていましたが、今では癒着や術後の後遺症を予防できることから早期の運動を取り入れるようになったのも同じ理由だと考えられます。
・冷やす方法

まずはすぐに出来る応急処置をと、近くのドラックストアで湿布を探しました。今は制汗シートの入ったパックと同じような包装で湿布が売られていて、持ち運びやすいように企業さんも工夫しているのだなと感心。
成分:サリチル酸グリコール、L-メントール、トコフェロール酢酸エステル
サリチル酸グリコール:鎮痛・消炎・血流改善 → NSAIDs (非ステロイド性抗炎症薬)とは違い、作用は穏やかで子供にも使えます。
L -メントール:冷感刺激 → 冷たさを感じる受容体の刺激なのでアイシングよりも冷却効果は弱いです。
トコフェロール酢酸エステル:血行促進 → 腫れや炎症を早く改善させます。
冷やして血流を緩やかにし炎症や腫れを抑える一方、血行促進の成分が入っているのは一見矛盾しているように感じる方もいるのではないでしょうか?
私的な考察ですが・・・急性炎症の場合は炎症物質が急激に増加するため冷やすことで増やさないよう対策をします。冷やすことで増やさないことができても炎症物質がなくなるわけではないので、出来てしまった物を血流で除くことも必要で、どちらの成分も配合していると増やさない・流すという作用により悪化させない対策ができるのではないかと考えています。

(↑買い物でよくもらった保冷剤がここでも活躍してくれました。)
できることなら、急性炎症には早期のアイシングの方がより効果的です。湿布は”冷感”なので、物理的に患部を冷やすアイシングとは異なるため軽症の場合は対応できますが、基本的にはまずアイシング。
捻った時には、「足首をやってしまったか!」と思いましたが、痛みが出てくるのは足の「甲」。甲の捻挫なんて聞いたことがありませんでしたが、実はあるそうなのです。足先が下に、足裏が内向きになった状態で捻ってしまった時に起こりやすいようです。
打撲や捻挫の場合には『駆瘀血薬』を使用すると治りが早まります。治打撲一方、桂枝茯苓丸や田七人参など、その他に腫れやむくみ対策に五苓散も早期回復に期待ができます。(日頃から当帰芍薬散・五苓散を服用していたのも役立ったのだと思いたい。)
何はともあれ、階段でカバンをいじったりスマホを確認したりするのはやめ、集中して上り下りをするか手すり側に寄るかと今まででは気にも留めなかったことを巡らせるようになりました。対策とともに、いざという時の応急処置の仕方も覚えていて損はないと思います。
ーーー転ばぬ先の杖、ということで。これから秋雨前線の時期がやってきます。滑りやすいところは注意します。
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