今年の【今月の漢方】も残すところ、あと2処方。今年も日々が早く過ぎていきます。

最近、風邪だと思って風邪薬を使っても効果はいまいち、でも声枯れがある、会議などでよく声を出すことが多い。のどを酷使した時の改善や予防に使える処方を今月はご紹介します。(何故か、先月は問い合わせが多かった処方でした。)

ーーーー『響声破笛丸(きょうせいはてきがん)

効能効果:しわがれ声、咽頭不快(体力に関わらず使用できます)

構成生薬:レンギョウ、カンゾウ、キキョウ、ハッカ、アセンヤク、シュクシャ、センキュウ、ダイオウ、カシ

レンギョウ、カンゾウ、キキョウ、は『駆風解毒湯』にも含まれる生薬なので、今回の処方も扁桃腺や咽喉の炎症に使うことができるのが分かります。”のどチク”でよく使われる『桔梗湯』の構成生薬も含まれています。

・『響声破笛丸』がおすすめの人

○ 学会や講演会でのどを使う場合

○のどをよく使う職業の人

○応援やカラオケでのどを使いすぎた場合

また、のどを使うことが予めわかっている場合は予防として使うこともできます。

この処方で特徴的なのが、”アセンヤク”、”シュクシャ”、”カシ”です。

・アセンヤク  (阿仙薬)

アカネ科ガンビールノキの葉や茎を水で似た液を濃縮し乾燥したもの。赤土のような見た目です。止血や止瀉作用があり、口腔清涼剤として使われます。(仁丹という商品の主薬として使われています。仁丹・・・口腔清涼剤)

・シュクシャ (縮砂)

ショウガ科Amomum xanthioides Wallich の果実。健胃や整腸作用があり、精油を多く含むため芳香性健胃薬に分類。スーッとした爽やかな香りがします。安中散や香砂六君子湯の構成生薬の1つ。今回の処方では健胃というよりも清涼感を目的に構成されていると思われます。

・カシ (訶子)

シクンシ科ミロバランの果実。止咳、収斂作用の他に抗菌、止瀉作用もある。生のまま乾燥させた場合は咳や嗄声に、煨く(やく:熱い灰に入れて焼くこと)場合は下痢や腸炎に使用する。煨くことで胃に対する刺激性が緩和する。生のままだと苦味が強い。

・『駆風解毒湯』と『響声破笛丸料』の違い

どちらも主薬が共通している処方です。前者は病原体を追い出す生薬(発表剤)が多く、後者は精油成分を多く含む生薬が多く清涼感があり、止血・清熱・鎮痛の作用が主になっています。それぞれ咽頭痛に使いますが、原因が異なるので使い分けが必要です。

・『響声破笛丸料』のおすすめの服用方法

患部にしっかり触れさせることで効果が良くなります。こまめな服用やゆっくり少量ずつ飲み下したり、軽くうがいをしてから飲み込む方法がおすすめです。『桔梗湯』や『甘草湯』もこの飲み方がおすすめです。

医療用にはありませんが、実は隠れたファンの多い今回の処方。当店では講演会や会議の多い方、ボイストレーナーや声楽のお仕事の方にもご好評いただいています。

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