今年4月から急性呼吸器感染症(ARI:Acute Respiratory Infection)が5類に分類されたとのニュースを見て、驚きました。
急性呼吸器感染症は、急性の上気道炎(鼻炎、副鼻腔炎、中耳炎、咽頭炎、喉頭炎)あるいは下気道炎(気管支炎、細気管支炎、肺炎)を指す病原体による症候群の総称。
いわゆる”風邪”のことです。
この風邪が5類に分類されたことで、医療機関は調査報告が必要になります。「未知の感染症の流行を早期に把握するため」ということのようですが、検査する機関や集計する保健所も大変そうなどなそ・・・色々と考えてしまうニュースです。
その5類の中に、今話題になっている感染症の『百日咳』があります。
百日咳とは?
百日咳菌による細菌感染症。初期は風邪と見分けがつきにくいですが、しばらくすると発作のような激しい咳症状が出てきます。完治まで2-3週間かかり、数カ月かかる場合もあります。治療はマクライド系抗菌薬を使い、症状に合わせて鎮咳薬や気管支拡張薬を使います。
咳症状に使う漢方薬は?
・麦門冬湯
・麻杏甘石湯
・五虎湯
・竹葉石膏湯
・竹茹温胆湯 など
乾燥した咳に”麦門冬湯”を使うのは知られるようになってきました。特に、長引く咳などで体力を消耗している場合に効果的です。この麦門冬湯の中には”生脈散”という処方がベース。麦門冬湯にもう一声!という時に”生脈散”を併用してみると良いかもしれません。咽喉の違和感が続くなら”桔梗湯”の併用もおすすめです。
顔を赤くするほどの激しい咳には”麻杏甘石湯”を追加。さらに1味加えた”五虎湯”も使えます。麦門冬湯を併用しても良いですが、痰が絡んできた場合は”二陳湯”の併用をおすすめします。
とあるクリニックでの百日咳に対する取り組みが論文化されていました。”竹茹温胆湯”を百日咳に使用した経過についてです。それについては来月の”今月の漢方ー5月ー”で解説します。
咳に対して使う漢方薬は幅広く、今回ご紹介した処方はほんの一部。漢方薬の良い点は一人一人の症状や経過、体質によって合わせて組み合わせを変えていけるところです。胃腸が弱い体質、水分が貯まりやすい体質、急性期・亜急性期・慢性期などなど。
『未病』って?
未病とは、病気になる手前のちょっと体がおかしいな?と感じる状態です。
よく使われるのが、風邪の引き始めに”葛根湯”。他にも”桂枝湯”、”香蘇散”、”麻黄附子細辛湯”などなど。それよりも前に、感染しても自分で治してしまう免疫力をサポートしてくれる処方が”生脈散”という処方。たった3味ですが、効果は優秀。疲れやすい方や最近風邪を引きやすくなった方にオススメの処方です。
風邪を引きにくくする、発症しても早めに・軽く治してしまうような体作りに漢方薬は良いサポーターになってくれます。
(余談)
風邪薬は治ると必要なくなり、余りがちになります。そして使用期限が切れていく・・・・なんてことを経験した方も多いのでは?(私もその一人です)
「必要な分だけほしい。」、「旅行にちょこっとだけ。」、「お試しで使ってみたい!」などなどの要望に合わせて、当店では分割で販売もしています。
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