移動の多かった10月は外で読書をする時間がとても長く、気分転換になりました。

・チーズはどこへ消えた?  スペンサー・ジョンソン/門田 美鈴・訳

・迷路の外には何がある?  スペンサー・ジョンソン/門田 美鈴・訳

”チーズはどこへ消えた?”に続編があったのをご存じでしょうか?1作品目は”変化”について、2作品目は迷路に残ったヘムを主人公にした”信念”について書かれています。1作品目はあまりピンときませんでしたが、2作品目の方は背筋を正すような思いになりました。”信念”とは不変の考えではなく、時間や経験と共に変化し、それを受け入れられる柔軟性を併せ持つことで行動するための原動力になるものである。自分と違う考え方や価値観に出くわすと身構えてしまいますが、そこをどのように捉えるかで分岐が始まる。”柔軟性”というしなやかさも必要なスキルだと思います。”信念”だけでは、社会で生きていくのは難しい。そこに”柔軟性”が加わることでより良い生き方に変わっていくのではないでしょうか。

・望遠ニッポン見聞録  ヤマザキ マリ

長い海外生活から日本の良さや海外との比較を著者目線で”再認識””再発見”した出来事や考え方を面白く、時に切り込んで書かれた28のお話。その中で3つほど。ビール好きとしては4では日本に生まれて良かったと思い、歯列矯正を経験した身でから、21では歯並びに関する国ごとの美的感覚の違いに関心し、また日頃から海外映像やインタビューにおける日本語訳のやりすぎ度を、ヤマザキさん視点から納得した26。どれも日本という国、文化、そして日本人という性質が面白くもまた不思議であることを認識した1冊。他から見ると大変な出来事でも”かるく”さらりと描いてしまうヤマザキさんの言い回しにどっぷりハマってしまいます。

・志記(一) ‐遠い夜明け‐  高田 郁

高田さんの新シリーズが始まりました。今作は江戸時代、女性にとって難しい生き方を選んだ、後に女医と女性刀鍛冶になるの2人の志を描いていくようです。1冊目である『遠い夜明け』では、医師を志す”美津”の祖父の時代から始まります。この頃の医学の主流は漢方薬。そこに”蘭学”が持ち込まれ始めると、”解剖学”に焦点が当てられます。『解体新書』で有名な杉田玄白の話になるかと思いきや、日本で初めて腑分けを行ったとされる山脇東洋の登場。古方派(漢方医学の流派の1つ)に属する山脇東洋が腑分けを行っていた事実に驚愕しました。思いがけず漢方医学の歴史の勉強になりました。その後、父、美津、そして暁の話がそれぞれ出てきます。

高田さんのシリーズ文庫作品の巻末には、ちょっとしたコラムがあります。今作の案内人(?)は赤みみずくさん。何故かは読んでからのお楽しみに。

先日、早くも年末を思わせる風物詩である”一の酉”が開催されました。二の酉は11月24日。ちょうど振替休日なので例年よりも賑わいそうな予感です。浅草の酉の市しか行ったことがありませんが、関東近郊ではいろいろな場所で開催されているようです。そして、もう年末なのかとしみじみしています。

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【お知らせ】

11月から営業日が変更になりました。

火曜~金曜 10:00~18:00となります。

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