8月は突然の大雨に見舞われることが多く、異常気象は続いています。下旬ごろからは少し暑さのビークも超えたような、9月に入ってから秋の気配を感じられるような日も少しあります。
この時期になってくると夏の疲れが出てくる頃合い。冷房や冷たいもので体が冷えたことによる体調不良も加わってきます。今月ご紹介する漢方はこちら。
_____『五積散』(ごしゃくさん)
効果:体力中等度又は、やや虚弱で、冷えがあるものの次の諸症:胃腸炎、腰痛、神経痛、関節痛、月経痛、頭痛、更年期障害、感冒
構成生薬:ブクリョウ、ビャクジュツ、ハンゲ、トウキ、シャクヤク、センキュウ、コウボク、ビャクシ、チンピ、キジツ、キキョウ、ショウキョウ、ケイヒ、マオウ、タイソウ、カンゾウ
最近冷房病で体の中からも外からも冷えた状態で症状のある方に使われることが多くなり、知られるようになった処方です。(医療用はツムラ:63、クラシエ:なし、コタロー:63)
この処方は5つ(気・血・痰・寒・食)の積滞に対応することから名付けられたと言われています。そのためか、「これでもか!」というくらいの生薬を詰め込んでいます。(調剤泣かせの処方・・・16種類!!)
二陳湯のような、平胃散のような、四物湯のような、桂枝湯のような、半夏厚朴湯のような、苓桂朮甘湯のような・・・薬味が不足している処方も書きましたがこれだけ処方の組み合わせが隠れています。
全体的に、温める生薬と水を除く生薬が多いのが特徴です。
この構成生薬の中で、あまり馴染みのない『ビャクシ』。鎮痛・排膿効果もあり、頭痛や副鼻腔炎にも〇。
セリ科の植物で、葉の重なりが鎧のように見えることから、別名はヨロイグサ。セリ科の植物は独特な香りを持ち、パセリやパクチーなど。この生薬も特徴的な香りがあり、好き嫌いの分かれるところ。見た目がトウキに似ていて、トウキもセリ科の植物です。
まだ日中の暑さはありますが、冷えの改善や自律神経を整えるために、半身浴をしてみるのも良いと思います。夏の疲れの解消と、これから訪れる乾燥・寒さ対策を検討してみてください。
・余談・
今回の処方は医療用ではツムラ・コタローで処方されます。漢方のエキス剤はメーカーによって薬用量、構成生薬が異なるの物があります。これもその1つ。ツムラは薬局製剤と構成生薬は同じ、コタローはカンキョウとソウジュツが加わった18味です。
漢方薬の勉強をしている先生はメーカーで使い分けていることがあります。保険調剤の薬局にいた時にそういった処方される先生から教わりました。今では懐かしい。
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