マイコプラズマ肺炎にインフルエンザ。先日、電話でお話しした方から夏頃から学校で流行っていると聞きました。
今回は新しく販売された医薬品について。
10/3に販売が開始された『経鼻弱毒生インフルエンザワクチン』。
ーーーーフルミスト点鼻液。
注射針がなく、鼻に噴霧するだけのワクチンとして、国内で初めて承認・販売されたインフルエンザ生ワクチンです。病院では注射が苦手なお子さんに使いやすいと評判。
3つの特徴があり、『低温馴性(低温で増殖可能)』、『温度感受性(温度により増殖しにくくなる)』、『弱毒性』です。(ちょっと専門的なので、気になる方は検索してみてください。)
国内のワクチンは大きく分けて3タイプがあるのはご存じですか?
①不活化ワクチン:無毒化した病原体を接種 → 多種類あり
②生ワクチン:弱毒化した病原体を接種 → BCG・麻疹・風疹・水痘・ロタウイルス・おたふくかぜ・帯状疱疹 など
③トキソイド:病原体毒素の毒性を失活させたものを接種(不活化ワクチンの一部とされることがありますが、厳密には違います。)
*NIID 国立感染研究所 HP → 日本で接種可能なワクチンの種類 (niid.go.jp)
このうちの②に区分されるインフルエンザワクチンが承認・販売。
生ワクチンの場合は弱毒化していてもウイルスの活性が残った状態なので、1,2回の接種で強い免疫がつくとされていています。その反面、接種後に発症する可能性が不活化ワクチンよりは高いです。
フルミストの接種対象者は2歳から19歳未満。また、免疫の落ちている方や妊娠中の方は接種できません。
特徴的な注意事項はこちら⇩
・卵アレルギー → 弱毒株の培養に使用しているため、混入のおそれがある
・ゼラチンアレルギー → 添加物として使用されている
・水平伝播 → 接種後1-2週間はウイルスを排出する可能性がありと指摘(海外では3-4週間の報告あり)
・川崎病治癒6カ月後 → アスピリン服用中は接種を控える(ライ症候群やインフルエンザ脳症の重症化に関連する報告あり)
・頭蓋顔面奇形が修復されていない小児 → 海外の注意喚起では”安全性データがないため”との記載 ※国内版に記載はありません
その他にも注意事項の記載があるので、詳細については医師や薬剤師に相談して確認して下さい。
インフルエンザワクチンにおける、生ワクチンと不活化ワクチンの効果の有意差はないようです。1回接種か2回接種、価格の違いでしょうか。また、注意喚起事項がそれぞれ違うので、しっかりと確認したうえで判断して下さい。
また安全性や副作用に関しては、2025/4まで市販直後調査が行われている段階です。予防効果について、かなり高い確率の予防効果率を見ましたが臨床試験段階の話なので、実際使われ始めてどうなってくるか、これからわかると思います。
*小児に対するインフルエンザワクチンについて(厚生労働省 資料) → 001256393.pdf (mhlw.go.jp)
今回のワクチンは2歳から19歳までが適応ですが、今の未就学児は予防接種の種類・回数の多いことに驚きます。それに加えてインフルエンザワクチンも・・・(任意接種ですが)
*予防接種スケジュール(2024/4版) → schedule_age7_202404版_ol_0520 (know-vpd.jp)
小さなお子さんがいる家庭は、病院の受診スケジュールで予定が埋まりそう。大変です。
薬剤師あるあるですが、薬の効能よりも注意事項の方が気になってしまうので、注意事項の説明が多くなってしまいました。現代はいろいろな媒体で多くの情報を得られるので便利な一方、偏った情報や耳障りのいい情報だけでなく、さまざまな情報を入手し考えて、それぞれで判断してほしいと思います。
これから乾燥してくると感染症にかかりやすい季節になります。かからない、もしくはかかっても軽症で済むような対策を今から立てておくことをお勧めします。
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