9月の重厚な読書時間と変わり、読みやすい本を選んで頭をリセットしていました。先月はファンタジーの世界に。
・香君 西から来た少女 1、2巻 上橋 菜穂子
獣の奏者・鹿の王・精霊の守り人シリーズ、国際アンデルセン作家賞を受賞した著者の最新作です。すでに単行本は出ていて、文庫は今月・来月と出る全4巻で完結します。読み始めは物語の設定に慣れるまで、巻頭の地図や登場人物を見比べながらだったので時間がかかりましたが、のめり込むとあっという間。1日で読み終えてしまいました。
国際アンデルセン賞は子供の本の国際的な賞なので、児童文学のジャンルかと思いきや子供が読むにはいくらか難しい点も。特に漢字の使い方は難しい。振り仮名が欲しいところになかったりするので、辞書を引いたりすることもしばしば。それでものめり込める壮大なスケールの物語です。
・精霊の守り人、闇の守り人 上橋 菜穂子
上橋さんの本を読んでいたら、読み返したくなった守り人シリーズ。1作目から読み返しています。香君の続編が出るので、ファンタジー脳を維持するためにも。香君よりは、子供も読みやすい文体・漢字が使われているのでこちらもあっという間に1冊読み終えてしまいます。このシリーズを読んだのは10年以上前、今また読み返してみると違う感じ方ができ、年を取ることとは、こういうことでもあるのかもしれないなあ、と。
このシリーズは元々偕成社から出版され、こちらの方がより子供に読みやすい仕様になっています。挿絵も新潮社から出版されたものと違うので、それぞれ違った雰囲気を味わえると思います。
年内にはシリーズが読み切れるか・・・全10巻、外伝を含めると13巻。
巻末のあとがきに「児童文学と思われているが、子供のために書いたことはない」と著者のコメント。確かに、児童文学と言われている本でも、大人が読んで心に響くものが数多くあります。(ミヒャエル・エンデの本は何度読み返しているか!)
ジャンル分けはしていますが、”子供だから、大人だから”と年齢で区切らない、自由な選択・想像が出来るのが読書の良いところだと思っています。子供の頃に読んだ本もいま読み返してみると面白いかもしれません。
(余談)
新潮社さんの文庫本には今では珍しい、”スピン”という栞になるひもが付いています。紙の栞を挟んでいても、いつの間にはなくしてしまう私にはとても助かる。単行本には付いていることがほとんどですが、文庫本になるともう新潮社さんだけ。小さなことですが、有難い心遣いなのです。
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