今年の冬はインフルエンザが多いようで、年末から徐々に警報級のニュースが話題になっていました。年末年始の帰省もあり、これからどんどん増えていくと思います。現在、過去最大の感染者数の記録を更新しています。
インフルエンザで使う漢方の代表と言えば、『麻黄湯』。
うまく使えば、拗らせることなくスッキリと治ります。抗ウイルス薬と一緒に処方されることも多くなってきたので、服用したことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

構成生薬:マオウ、キョウニン、ケイヒ、カンゾウ
効能・効果:体力充実して、風邪の引き始めで、寒気がして発熱、頭痛があり、咳が出て体の節々が痛く汗が出ないものの次の諸症:感冒、鼻かぜ、気管支炎、鼻づまり
たった4味で、この効能効果。漢方薬は、一般的に薬味が少ない方が効き目がシャープと言われています。この少ない薬味でこれだけの効能があるには理由があります。
・マオウ+ケイヒ=発汗解表(辛温解表の主要配合)
・マオウ+キョウニン=平喘鎮咳
・マオウ+カンゾウ=利尿(利水)、鎮痛
・ケイヒ+カンゾウ=強心作用、気の上昇の改善 などなど・・・
構成生薬の少ない処方は単味の薬効以外に、生薬同士の組み合わせによって、様々な効果を発揮するように構成されています。基本の考え方は”薬対”と言われ、薬効の相加・相乗効果が生まれます。(逆の場合も然り)
この考え方は処方を理解するうえで重要な考え方の1つです。(※薬対は対薬と言われることもあります。)漢方薬が現代まで残ってきたのは、こういった緻密な構成で作られ、また優れた処方であることの表れだと思います。
一般的な薬の場合は飲み合わせの注意を気にするところですが、漢方薬では組み合わせによる考え方があるので面白い。
麻黄湯と桂枝湯の良いとこ取りをした”桂麻各半湯”という処方があります。これについてはまたいずれ。
注)発汗や抗ウイルス作用を持つマオウですが中枢神経興奮作用があるので、一部の人には合わないことがあります。また、薬の併用にも注意が必要となります。心配な方はご相談下さい。
【余談】

麻黄湯のケイヒをセッコウに置き換えると・・・・

激しい咳でよく使われる、”麻杏甘石湯”の出来上がり!
”麻杏甘石湯”については、以前のブログで少しだけ取り上げているので、参考にして下さい。
インフルエンザにマイコプラズマ肺炎、その他色々な感染症。かと思えば、検査は全て陰性で酷い咳が長引く・・・最近はいろんな症状のご相談が増えました。病院に行っても同じ処方でなかなか治らない場合には漢方薬の併用も検討してみてはいかがでしょうか。
明日から、共通テストが始まります。今年は全国的に穏やかな天気で、天候による交通機関の乱れの心配はなさそうです。受験生の今までの努力が十分に発揮できるよう祈るばかりです。頑張れ!!!
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