ファンタジーや児童文学をメインにしていた昨年の12月でしたが、読書納めにしたのは全く違うジャンルでした。

・守り人シリーズ(天と地の守り人 中・下、流れ行く者、炎路を行く者) 上橋 菜穂子

外伝も含めて、ついにシリーズが読み直し終わりました。巻末に掲載されているあとがきを読むと、その当時の作者の考えていたことが分かり物語の意図に気づけます。今回はあとがきを読んでから本編に入っていました。その時その時の時事ネタも含まれているので、今回の読み直しでは「ああ、こういう意図があったのか。」などと当時の出来事を思い出しながら読めました。

10代で読んだ人には20代で、20代で読んだ人には30代で、その年代ごとに読み直してみると共感できる部分が変わってくると思います。ファンタジーの面白いところはそこにあると思っています。

・香君 3,4  上橋 菜穂子

植物と香りをテーマにした壮大な物語のシリーズの完結です。起承転結のはっきりとした物語で、没頭できるのですぐに読み終わってしまいました。多くの登場人物がいますが、理不尽とも言える境遇の中、自分の理想や信念を持ちながら大きな難局に立ち向かうそれぞれの姿勢にきっと共感を覚えると思います。

この本は、複数の観点から読み解きことが出来ますが、そのうちの1つは現代が抱える問題点(ここでは蝗害による農業への打撃でしょうか?)にファンタジーの要素を盛り込んだ内容。つい数年前に話題になったサバクトビバッタのニュースを思い出しました。今も世界のどこかでは自然による脅威にさらされている場所があるのだと。そして、それら何らかの原因や理由があることも知る必要があると思います。

次は”鹿の王”を読み返そうか・・・”獣の奏者”は漫画の文庫を持っているので、こちらは幾度となく読み返しています。

・両手にトカレフ  ブレイディみかこ

2024年の読書納めの本です。水色に黄色の文字が目を惹き、作者を見て即決しました。10代の女の子が1冊の本に出会うことから始まります。簡単には語れない内容がふんだんに盛り込まれていて、感想を書くのも悩ましい。

今の状態・場所が全てではないこと。周りのどこかには自分を見つめてくれる人がいること。そして、選ぶ自由があること。(選ぶ自由と、選んだ責任は表裏一体ですが) 何かに憤ることは多々ありますが、そういう時こそ俯瞰して自分を見つめる時間が必要だな、と。余裕と冷静さが欲しい。

2024年末に1年間の自分へのねぎらいを込めて、東京・丸の内にある『丸善本店』に行ってきました。その日はいつもよりも人が多く、カゴをいっぱいにしている人を多く見かけたので、同じ本好きの人達の熱気が刺激になりました。

気になっていた本をあれこれと買い、積読を眺めながら読書に勤しんでいます。今年もどんな本に出会うか、どんな古本市に行けるか、楽しみです。神田神保町の古本市に今年こそは参加したい。

・・・読み終えた本がいくつかの山になっているので、そろそろ本棚の整理を始めないと。しかし、やる気があっても重い腰が上がりません。

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