何かとバタついた年明け1月、読書も思うように進まず、手軽に読めるマンガをよく読んでいたような・・・。年末に購入した本は2月に入ってようやく読み進めています。
・明日は、いずこの空の下 上橋 菜穂子

昨年秋ごろから、上橋さんのシリーズを読み続けてきました。たまたまエッセイ本も書かれていたことを知り、早速購入。2014年の発売で、今から10年以上前。その時すでに世界中の色々な場所を訪問している様子が書かれています。この本を読むことで、今まで書かれてきた物語の核心に触れるような気がしました。1話1話が10ページくらいなのでスキマ時間に最適でした。
世界を旅したお話の中、お母様との旅行の備忘録の部分が多いですが、お父様の話も少し。実はこの表紙はお父様が描かれたそうです。御歳83歳!(2014年)見ているものをこんな風に描けるのは羨ましく、絵心の無い私でも題名によく合う素敵な絵だなと感じました。
知らない土地に行き、現地の人との関わりが楽しみで、何が起こるか分からない事も面白い。旅の良さはよく分かります。毎月、「”来月”は、いずこの空の下」か、と考えています。(今月は福岡と広島の空の下に行ってきました。)
・西の魔女が死んだ 梨木 香歩

定期購読している「波」で紹介が載っていて、すでに読んでいた本でしたが、年を重ねてまた違う印象になるのかなと思い、本棚から引っ張り出しました。児童文学のジャンルですが、大人になっても十分感じることのできる本です。
1人の女の子の心の成長を見守りつつ、10代の多感な時期に”西の魔女”のような大好きな人がそばにいたことは幸せなことだ、と改めて感じます。悩める人のそばに「アイ ノウ」と言ってくれる誰かがいたら、出会う人や身近な人で”大好き”だと思える人がいたら、それだけでも十分心の支えになるのだろうと思います。叶うなら、潔さとユーモアのある”西の魔女”と話してみたかった。そして成長した”東の魔女”のお話もあったら読んでみたい。
・為吉 北町奉行所ものがたり 宇江佐 真理

宇江佐さんの本は時代小説にドハマりしている時に何冊も読んでいましたが、その後2015年に亡くなられてから新刊が出ないことと、時代小説から違うジャンルの本を読むようになったので読む機会が減りましたが、亡くなられた後も新装版などで継続的に出版されていたのは知っていました。こちらもそのうちの1冊。
主人公:為吉は不幸な出来事に見舞われながらも奉行所の中間になり親の仇との遭遇や事件を通して、最後には自分の人生を岡っ引きとして市井で生きていくことを決意するお話です。奉行所内やそこに関わる人々が舞台になりますが、奉行所内の役職や場所が分かりやすく簡潔に説明されています。神田店にいた頃は上野から新橋までよく散歩していたので、「ああ、あそこに奉行所があったのね!」と現代の場所とリンクさせて読むことが出来、より面白く読めました。
宇江佐さんやその頃に時代小説を書かれていた作家さんたちは、実際にある場所や役職などを織り込みながら細かく描写してくれているので、想像しやすく、また、入り込みやすいので気に入って読むことが多いです。
宇江佐さんは髪結いシリーズがとても有名ですが、古手屋喜十シリーズや室の梅、高砂も何度か読み直しているほど好きな作品です。(ウエザ・リポートもおすすめ!)著作がたくさんあるので、どれか1冊は気に入る本に出会える作家さんだと思います。
前回のブログで、本の整理が億劫でなかなかやる気にならないと言いましたが、ついに1月の連休を利用して平置きにされた本たちを本棚に収納しました。「西の魔女が死んだ」を見つけるために重い腰が持ち上がりました。
移動先が扉付きの壁面収納なので、開けるたび一面の本が見えてテンションが上がります。用もなく開けては閉めてを繰り返していて「しつこい!」と、扉が怒るような気がしています。購入した本は捨てることができず増えていく一方なので、「ここがいっぱいになればまた移動しないといけないのか・・・」という現実はしばらく横に置いておきます。
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