あっという間に過ぎた2月。出張ついでに立ち寄った旅行以外は、のんびりとした1ヵ月でした。急な寒さと気温の変化に外に出る気が起きなかったというのもありますが・・・。3月下旬の今は花粉症との戦いです。
・古本食堂 原田 ひ香

古本の町、神保町にある古本屋が舞台のお話です。古本店主の急逝により妹が仕事を引き継ぎ、古本を通して姪っ子・来店客とのやりとりがテンポよく書かれています。実際に神保町の古本通りに行かれた方には情景が想像でき、有名なお店もちらほら出てきます。
巻末に俳優・片桐はいりさんとの対談の掲載。片桐さんは”もぎり”であること(今もお声がかかるとやられているそう!)、個性的な役を演じることが多いというイメージ。対談での言葉の選び方が好きで著書を読んでみようと思い、『もぎりよ、今宵も有難う』を読みました。予想通り、面白い。近日中に『グアテマラの弟』も読む予定です。感想は、また来月の”本との出会い”で語りたいと思います。
・古くてあたらしい仕事 島田 潤一郎

夏葉社という出版社の方の本。仕事に対する姿勢や思いなどが共感できます。小さな出版社で、こちらも小さな薬局。勝手に共通点を探しては、うんうんと首を縦に振っていました。飾らない素朴な文体で本を通して人柄がよくわか気がします。
就職氷河期世代の苦労から仕事に対する本質を自分なりに見つけた著者の、これまでが詰まった本。世代に関係なく仕事で悩んでいる人、今の生き方に疑問を感じている人、そんな人たちに寄り添ってくれる本だと思います。こういう人の本を読むと、ああ一人じゃないんだなあ少し気持ちが軽くなる気がしています。
・処方箋のないクリニック 特別診療 仙川 環

シリーズ第2弾です。1作目は大分前に読んでいましたが、2作目が出ていることを知らずに、何気なく立ち寄った本屋さんの平台に置かれていて、久しぶりに医療に関する小説を。
本作では最近の医療や健康問題を題材にした身近に感じる内容なので、医療小説のジャンルですが読みやすい本。アルコール依存、糖分の弊害、リビング・ウィル、肥満治療薬によるトラブルなどなど。病気だけでなく、その人の抱える問題点も解決してしまう・・・こういうお医者さんっているのかな?と思ってしまう。
最近は総合診療科という医療科目ができ、ここ数年で全国的に増えているもののまだまだ少ない。少し前に千葉大学の総合診療科の様子がテレビ放送されて見ましたが、この小説に少し似ているところを感じました。細分化されてきた医療のあり方を見直す時期に来ているのだと思います。幼い頃に行っていた町のお医者さんは総合診療のようなことをしていたし、大抵のことはそこで済んでいました。数十年を経て、病気も複雑化。食生活や日常生活の変化が健康に大きな影響を与えていることがわかっています。こういった診療科の設立に奮闘する病院や志願する医療人が増えてくれたらと思わずにはいられないです。
・波 2025/3 (定期購読雑誌)

宮部みゆきさんのコメント共に表紙に猫。新作は猫にちなんだお話のようです。今回の波は、私にとって嬉しい内容が盛りだくさんでした。100円でこのクオリティ・・・恐ろしいです。毎月の情報満載で、毎月自宅に送ってもらえる。いろんな方に知ってほしい定期雑誌です。
今年も3月20日から神保町で”春の古本まつり”が開催されています。『古本食堂』を読んでまた神保町に行きたい気持ちがムクムクと湧き上がっています。初夏の陽気になっているので、散歩に桜の蕾の鑑賞に気持ち良い外出になりそう。

(↑BOOKTOWNじんぼうのホームページより)
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