先日、関東も梅雨入りとなりジメジメとした雨と湿度の季節になりました。今年は5月の後半くらいからスッキリしない天気で、来週は真夏日到来の晴れ予報。不思議な梅雨になるのでしょうか。
・独立記念日 原田 マハ

単行本”インディペンデンス・デイ”の文庫版です。インディペンデンスとは独立。そのまま和訳した題名です。様々な境遇の女性たちが主人公の短編集。色々なカタチの”独立”に、共感する部分もあれば違う視点から感じることのできるのではないかと思います。
「『自由になる』っていうことは、結局『いかに独立するか』ってことなんです。ややこしい、いろんな悩みや苦しみから」
悩んでいるときや何かを手放すとき、いつもこの本を読んでいました。卒業するというより、独立するという言葉がすっと胸を突く。原田さんの書く物語は、いつも何か気付きを与えてくれます。
・わたしの小さな古本屋 田中 美穂

広島・倉敷にある【蟲文庫】店主の日常を書かれたエッセイ。過去のメールマガジンでの連載を元に1冊の本にまとめたそうです。この時は開店して20年が過ぎた頃までのお話、もちろん現在も営業されています!
ご自分の居場所を作りたいという思いから21歳で古本屋を開業。苔や亀、本以外にも楽しみのあるお店になっているようです。商売をしていると売り上げや店の規模を大きくすることに意識がいくこともありますが、身の丈を知り、それに合った商売を続けるということは簡単そうで、とても難しい。
自分はどんなことをしたいのか、どんなことに満足するのか。向き合ってきたからこそ、30年以上の本屋営業が続いているのだと思います。地に足をつけ、人の役に立つ生業を細く長く続けていきたいと思えた本です。
・みんなの図書館 小川 洋子

2008年7月〜2009年6月まで放送されたラジオ番組「Panasonic Melodious Library」を書籍化した1冊です。小川さんが選んだ50作品を四季に分けて書かれています。様々なジャンルの本が紹介されているので、日頃選ばないような本に出会えると思います。
自分で選ぶ本の傾向がある程度出来上がってしまったので、最近はこういった本を参考にして本を選ぶようになってきました。そうするとまた違った世界が広がり読書の楽しさを実感します。
・女性の一生と漢方 石野 信安

ある先生の講義でこの本が紹介され、見たことあるな?と思ったら薬局にあった本。一度読んでいましたが、いい機会なので読み返しました。1984年発行、今から40年前に発行された本です。
妊娠~出産~育児までの過ごし方やトラブルの対処方法、月経や更年期についても書かれ、”女性の一生”にかかる事柄を漢方薬だけでなく鍼灸も交えて分かりやすく書かれています。”マクリ”と呼ばれる漢方薬はこの本で知りました。(日本では古くから”胎毒下し”といって、生まれて間もない新生児に飲ませる漢方薬があるのです。)その他、家庭でも簡単に取り入れられ、今では知る人が少なくなってきた日本独特の様々な対処法が載っています。幅広い世代の悩める女性に役立てたい。これから必要になってくる1冊だと思います。
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5月は1年に1度訪ねている大きな古本市に行ってきました。回を重ねるごとに参加店が増え、古本以外にもレコードやアクセサリーのお店も出店されていてもはや古本市ではない様相。賑やかなのは楽しいですが、見る規模が大きくなって最近は途中にコーヒーブレイクが必要なほどです。今回は出会う本がなかったのですが、それもこういった場所の醍醐味。来年の開催も期待しています!
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