今年の梅雨入りはのんびりとして、梅雨らしい天気にはほとんどならずに梅雨明けを迎えました。最近は雨が降る場合は極端な降り方が多く、梅雨というより別の季節になっているように感じます。夏本番を迎えます。
季節に関係なく、読書は相変わらず。最近は本屋に関する書籍を読むようになり、今までスルーしていた本がそこでは紹介されて、気になるようになりました。以前は時代小説や食べ物に関したフィクションが多かったのですが、最近はエッセイのような本も読んでいます。
先月は読書が進み、読んだ本もそれなりにありました。全てを紹介できないので、特に記憶に残った3冊を紹介します。
・あしたから出版社 島田 潤一郎
古本市で本屋や出版社に関係した著者コーナーが作られていて、目についた本。就職氷河期世代の方が、一人で始めた「夏葉社」という出版社。読み進めるほど仕事に対する姿勢や本へのこだわりが伝わってきます。HPを見てみましたが、こちらで出版された本を取り扱っている本屋さんが近くにあるので、早速気になった本を探しに行ってみようと思います。
・ぼくはイエローで、ホワイトで、ちょっとブルー ブレイディみかこ
いつか読もう、読もう。と思っていたら、いつの間にか文庫になっていました。こちらも古本市で。著者のお子さんの成長記録のような本だと思っていましたが、とても深い本です。色々な人種や価値観の人が集まるところで生活をしていると、自分のアイデンティティーについて常に考える必要があるのかもしれない。
この本からエンパシーという言葉を初めて知りましたが、自分なりに考えてみると”思いやり”に近いような・・・人と関わる上で必要なスキルですし、無意識のうちに身についている事でもある・・・。”(相手のことを)よく考えること”、”(相手から)よく聞くこと”、どちらも出来るようで行動に移すのはなかなか難しい。エッセイというよりは、人文書のような。言葉も難しくなくて読みやすいので、子供から大人まで幅広い世代に人気のあるのが分かる本でした。
シリーズ2冊目の文庫は6月26日に発売されています。こちらは昨日読破。
・ムスコ物語 ヤマザキ マリ
ヤマザキさんと息子さんのこれまでの生活について書かれた本です。親と子であるよりもまず、子供も一人の人であるということ。子供”だから”できないだろうと考えがちですが、子供”なりの”思いや考えを尊重できるような関係を築くことの大切さを教えてもらった気がします。(これが難しい。)子供のうちに色々な経験をしておくこと、色々な人に出会い、立場に立ち、環境にいると人生に違った彩りをくれる。その反面、様々な”もの”や”こと”が溢れている今、自分の軸を持つことの難しさを実感します。
理不尽さをきっと感じていたであろう子供時代に、自分なりの考えを持って成長した今の息子さんが書かれた巻末の話があります。是非読んで欲しいです。
・(再)本屋という仕事 三砂 慶明
本との出会い ー5月ーでも紹介した本。この中座談会が2つの掲載されているのですが、紹介されている本が気になり再度読んでみました。何冊か購入したので、また来月にご紹介できたら。
宮部みゆきさんの三島屋シリーズの第8弾「よってくだんの如し」が文庫で発売されていました。こちらも購入予定ですが、ほかにも気になる本が多くて読むのは先になりそうです。
↑この小冊子のおかげで夏は読みたい本が増えます。
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