先月、ひょんなことから『野山で草花を観察する会』という活動があるのを知り、気分転換と散歩を兼ね、勉強もできるならと参加してきました。大学の薬草園管理をされている方がガイドとなって、野山にある植物を場当たりで解説してくださいました。

・ヒキオコシ【シソ科】  民間薬:延命草

健胃作用に優れ、苦みが強いのが特徴。名前には弘法大師の一説が由来で、腹痛で倒れている病人にこの植物を使い、引き起こすように治したという故事から名前がつけられました。

・ミズヒキ 【タデ科】 民間薬:水引

ご祝儀袋にある縁起の良い飾りの”水引”が名前の由来です。止血や胃痛などに効能があるとされ民間薬で使われていました。日陰や湿気を好み、公園などで見かけることができます。ピンク色の小さな可愛らしい花ですが、画像はピントが合っておらず残念。(似た名前に”キンミズヒキ”という植物がありますが、こちらは”仙鶴草”という生薬です。)

・テンニンソウ 【シソ科】 天人草

ブラシのように見える部分が花になります。シソ科の植物なので、茎を触ると四角状なのが特徴です。薬効は特にないようですが、見た目が個性的で気に入っています。(ブラシノキという、よりブラシに似ている赤い花を咲かせる木があります。是非調べてみて下さい。)

・トチバニンジン【ウコギ科】 生薬名:竹節人参

朝鮮人参や田七人参と同じウコギ科の植物で、強壮作用があり、解熱・去痰・健胃作用があります。効果は朝鮮人参よりもマイルドですが、苦みが強いのが特徴。栃の葉に形が似ていることが由来です。生薬は根を使い、形が竹の節に見えることから生薬名には”竹節”という名前が使われます。最近、髪の毛のハリやコシ・薄毛に効果が期待できるという報告があり、育毛剤に含有されるようになっています。

・ノブドウ【ブドウ科】

野山で見かけるブドウに、”ヤマブドウ”がありますが、こちらはノブドウよりも大きく、葉の裏がツルッとして茶褐色です。ヤマブドウはワインやジュースで見かけることはありますが、ノブドウは美味しくないので食用には不向きです。

・カナムグラ【クワ科】

健胃・利尿・解熱作用を持ちます。カナ=鉄、ムグラ=ぼうぼうに茂る雑草から名前が付きました。茎がかなり強いようです。

・ヌルデ【ウルシ科】 生薬名:五倍子

止血・止瀉・抗菌作用を持つ薬用植物です。寄生した虫が瘤状の塊を作り、写真中央の塊が生薬として使われます。(ポケモンのトランセルに似ている気が。)ウルシ科の植物はかぶれることが多いので、皮膚の弱い方は触らない方がよいです。

・オトコエシ【スイカズラ科/オミナエシ科】 生薬名:敗醤根

独特な香りを持つ薬用植物。花だけを見るとセリ科のようにも見えますがよく見ると違いがあるのが分かりますか?この植物には似た名前に”オミナエシ”がありますが、オミナエシは黄色い花です。(写真は黄色っぽく見えますが、実物は白い色です。)和漢名は、”男郎花(オトコエシ)”・”女郎花(オミナエシ)”と書き、花の色や大きさの違いから対比されて命名されたとも言われています。

・ゲンノショウコ【フウロソウ科】 民間薬:現の証拠

健胃作用の他に、止瀉作用が強く、効果が素早く確かであることが名前の由来です。東は白色の花、西は赤色の花がよく見られるそうです。ドクダミ・センブリと合わせて日本三大民間薬とも言われています。

・ハッカ【シソ科】 生薬名:薄荷

メントールの香りが特徴的な薬用植物です。湿地を好むようで、水辺の近くで多く見かけました。薄紫色のきれいな花をみることができました。

このほかにも、ヤマウコギ、アカメガシワ、ノイバラ、セントウソウ、、カキ、アブラチャン、モクテンリョウやホオズキを見ることも出来ました。

3時間弱というとなんだか長く感じますが、歩きながら色々目移りをしていると意外とあっという間で、敷地の半分くらいの散策で終わりました。今回見つけた植物を調べてみると、健胃作用を持った植物が多い印象です。昔は今ほどの衛生管理が出来たはずもなく、お腹を壊すことが多かったのでしょうか。

こういった会の参加年齢は、60代くらいの方が多く私が最年少でした。物知りな方・勉強熱心な方・ハイキング好きな方、様々な方との交流も楽しかったです。最年少だったからか、珍しいからか、親切に色々教えて下さる方が多く、楽しく学べた観察会でした。

・参考資料・

漢方と民間薬百科  大塚 敬節

家庭で使える薬になる植物 第Ⅰ・Ⅱ集 佐藤 潤平

薬草ガイドブック 日本植物園協会