年が明けて、あっという間に1月も残りわずか。中旬には投稿する予定でした。
月替わりでテーマを決めてディスプレイしている『今月の漢方』。
1月は「六君子湯(りっくんしとう)」です。
この処方名、耳にすることがあるのではないでしょうか?
今年も月1回の講習会は継続していて、その時の先生の言葉に『何事も腹の調子が悪ければ改善しない』という一言から今月の漢方を決めました。確かに体調や精神状態もお腹の調子に左右されることが多いなと。納得。
丹田や胆力などお腹のあたりを指す言葉多く、改めてお腹を整えることの重要性がわかります。
効能効果:体力が中等度以下で、胃腸が弱く、食欲がなく、みぞおちが痞え、疲れやすく、貧血性で手足が冷えやすいものの次の諸症:胃炎、胃腸虚弱、胃 下垂、消化不良、食欲不振、胃痛、嘔吐(薬局製剤)
構成生薬:ニンジン、ビャクジュツ、ブクリョウ、ハンゲ、チンピ、ショウキョウ、タイソウ、カンゾウ(薬局製剤)
(↑チンピだけ別の容器になっています。)
この処方は、四君子湯に二陳湯を組み合わせた処方ともみられます。
→四君子湯(ニ、カ、ビ、ブ、タ、シ)、二陳湯(ハ、シ、ブ、チ、カ)
四君子湯にハンゲとチンピを加えたものなので、四君子湯の症状に吐き気や嘔気など胃内停水の症状が加わった時に使うと効果的です。また、処方の中には小半夏加茯苓の構成生薬も入っているので、つわりにも〇
病名処方の多くは「機能性ディスペプシア」で処方されることが多いです。機能性ディスペプシアとは胃腸の検査などでは異常が見られないが、明らかな自覚症状があり、その症状が長く続いている状態のことです。逆流性食道炎でも処方されます。
六君子湯というのに構成生薬は8種類。
由来は生薬を「君臣佐使」という区分に分けた考え方を基にしていると言われています。この処方では君薬(≒主薬)に該当するのがニンジン・ビャクジュツ・カンゾウ・ハンゲ・チンピの6種類であることから名付けられたそう。
最近はドラックストアでも漢方薬を気軽に買えるようになり、嬉しく思う反面、商品名になるとなんの処方なのかわからないこともしばしば。名前が違うものの同じ構成生薬のものもあり、複数の漢方薬を使っている場合、知らぬうちに過剰服用になっていることもありえます。
また、メーカーによっては生薬の分量が異なる場合もあり、講習会で講演される先生から症状の具合で使い分けることがあると解説してくれたことも。勉強になりました。
同じ処方名で迷われた場合は、薬剤師か登録販売員の方に確認するようにしてください。全ての方がすぐにわかるわけではないと思いますが、必ず調べて答えてくれるはずです。
(↑最近購入したエキス剤)
煎じ薬の良さは十分理解していますが、やはりエキス剤は便利です。当店でも一部商品は散剤や丸剤での取り扱いがあります。近々ラインナップを増やそうか検討しています。
また、取り寄せも承っていますのでご相談ください。
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