まだまだ残暑が残る9月です。スッキリしない天気が続いています。夏バテや夏風邪など、体調を崩されていないでしょうか。
残暑辺りは、エアコンや冷たい食べ物による不調と夏の疲れが合わさり膀胱炎や泌尿器科トラブルが再発しやすい時期です。膀胱炎に使う漢方と言えば、猪苓湯や五淋散が有名どころ。CMでよく見る『ボーコレン』は五淋散を基本にした処方です。
今回はそれとはまた違う処方をご紹介します。
ーーー『竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)』

効能効果:体力中等度以上で、下腹部に熱感や痛みがあるものの次の諸症:排尿痛、残尿感、尿のにごり、こしけ(おりもの)、頻尿
構成生薬:トウキ、ジオウ、モクツウ、オウゴン、タクシャ、シャゼンシ、リュウタン、サンシシ、カンゾウ
『竜胆瀉肝湯』はメーカーや文献によって、構成生薬が違うことが多い処方です。今回は薬局製剤を主軸にお話ししたいと思います。
処方名から、”竜胆”が主薬で、”瀉肝”は肝(五臓論)の失調を取り戻すという意味です。
生薬を分類別にすると、清熱薬(オウゴン・リュウタン・サンシシ)、補血薬(トウキ・ジオウ)、利水去湿薬(モクツウ・タクシャ・シャゼンシ)の大きく3つに分けられます。清熱薬は炎症や熱を除き、補血薬は消耗した血を補い、利水去湿薬は余分な水分を排泄する働きがあります。生薬は1つの効能だけを持っているわけではないのが面白いところで、今回の処方で注目したいのは”清熱作用”を持った生薬が多いこと。利水去湿薬のモクツウやタクシャ、シャゼンシには清熱の作用があります。ジオウも修治によって力のバランスが変わり、ショウジオウの場合は清熱薬に分類されます。炎症や熱・痛みに効果があるのも納得です。
猪苓湯や五淋散と同様に、『竜胆瀉肝湯』は膀胱炎や排尿痛など泌尿器トラブルに使われますが、経絡の視点から考えると肝・胆経を通じた場所の不調にも使うことがあります。(経絡については、専門ではないので省きます。)構成生薬のほとんどが肝経に働く生薬が多いことが関係していると考えています。実際に頭痛や目のトラブル、耳鳴り、イライラや怒りっぽいなどの自律神経の興奮状態に使う場合があります。
『竜胆瀉肝湯』には薬局製剤とは違う構成をした有名な処方があります。それは漢方一貫堂医学という考えの”解毒証”の処方です。ツムラやクラシエ、薬局製剤では販売されていない処方で、コタローでは取り扱いがあります。

↑こちらが、漢方一貫堂医学の竜胆瀉肝湯の構成生薬です。

薬局製剤の構成に、シャクヤク・センキュウ・オウバク・オウレン・ハッカ・レンギョウ・ボウフウが加わります。
構成生薬は16味で、基本処方には温清飲(四物湯+黄連解毒湯)です。四物湯は血を養う力があり、黄連解毒湯は清熱・解毒の力があります。解毒作用というと五行論では”肝”に相当します。経絡の流れから考えると、泌尿器や生殖器の炎症や熱毒は肝臓で解毒処理されるため、肝機能が重要になるようです。この温清飲を基本にすることで、肝の解毒機能を改善する働きもあると考えられ、より幅広い症状に使えることが分かります。

当店では漢方一貫堂医学の処方は、エキス剤でご用意をしています。症状が改善しない方や泌尿器の不調が長く続いている方は、こちらを使われてみてはどうでしょうか。
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