朝晩は涼しさから、肌寒さに変わっていました。7日は立冬なので冬の始まりです。空気が乾燥してきて、寒さによる冷えも感じ始めるこの季節に、今月はこの処方をご提案します。
ーーー『婦人宝(ふじんほう)』

効能効果:更年期障害による次の疾患:生理不順、生理痛、冷え性、貧血、腹痛、腰痛、肩こり、頭痛、めまい、のぼせ、耳鳴り
構成生薬:トウキ、オウギ、ジオウ、シャクヤク、ブクリョウ、カンゾウ、センキュウ、トウジン、アキョウ(画像はアキョウが抜けていました)
トウキ・シャクヤク・ジオウ・センキュウの4つの生薬は『四物湯』で、”血”を補う力に優れ、”女性の聖薬”と言われるほど女性に使われる漢方薬に多く取り入れられている処方が基本になっています。
女性は”血”を消耗する機会が多く(生理や妊娠・出産など)、更に目を酷使したり睡眠の不足によって慢性的に不足している傾向にあります。最近では”血”の素である食事を疎かにしている人も多くなってきているようです。
では、『四物湯』を服用し続ければ大丈夫かと思いきや、そうではないのです。
睡眠や休息は”血”を補うほかに、体力の回復をし”気”を養う時間でもあります。
”気”というのは、エネルギーのことを指すことが多いですが、食事をエネルギーに変えるための動力にもなっています。”気”が足りないということは、食事をうまくエネルギーに変えることができません。そのためエネルギー不足となり、”血”も作れなくなります。『四物湯』を服用していても体調がパッとしないのは”気”の不足も考えられます。
この処方にはトウジン・オウギ・カンゾウが含まれ、”気”を補う生薬が加えられているのもポイント。”血”も”気”も同時に補うことのできる処方です。
”血”や”気”について触れてきましたが、漢方の概念の1つに”気・血・水”の考え方があります。ご自身の体質や症状を、血の不足による”血虚”や気の不足による”気虚”、その他に”血瘀”、”気滞”、”気逆”、”水滞”などのタイプ別に考えることができます。このタイプ別は季節や年齢、生活環境などで変化し、複数のタイプが絡み合っている場合が多いです。今の体調はどのタイプに当てはまるのか調べてみると今後の対策に役に立てられると思います。
この『婦人宝』は薬局製剤の処方にはない漢方薬なので、使ってみたい方はこちら↓

小太朗製薬 『婦人宝』 1本100ml(1日2回 1回5ml 約10日分)
イスクラ産業『婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)』と、構成生薬は同じ内容になっています。(当店ではイスクラ産業の商品は取り扱っておりません。)
この処方は、中国で考案された”当帰養血膏”を参考にして商品化されています。構成生薬のトウキが全体の70%を占める割合で配合されているのが特徴。

トウキ セリ科
〈薬理作用〉補血・行血・潤腸・調経
・子宮機能の調節作用
・鎮静、鎮痛作用
・利尿作用
・抗菌作用
・潤腸通便作用 など
トウキは特に月経に対する不調がある場合に使うことが多く、PMSの場合は主薬に、PMDDには理気薬と合わせて使います。不調が長く続いている場合も気血の消耗が大きいので、トウキや参耆剤を使うことがあります。
「トウキ」と「女性の漢方」といって思い浮かぶ処方に、『当帰芍薬散』があります。『桂枝茯苓丸』や『加味逍遙散』と並んで女性によく使われる3大処方の1つです。
構成生薬は似ていますが、”気血水”のどこにアプローチするのか明確な違いがあります。
どちらも”血”を補う生薬が含まれていますが、『当帰芍薬散』は”水”を取り除く生薬が、『婦人宝』は”気”を補う生薬がそれぞれ含まれています。どちらの処方か迷った時は相談していただくとスムーズに効果が得られると思います。
女性の処方と思われがちですが、”血虚”症状と”気虚”症状があれば男性でもお使いいただける漢方薬です。気になる方はご相談ください。
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今夏の長雨により、例年以上に”湿”の影響が残っている方や太陽の日差しを浴びなかったせいか気持ちの不安定な方も多くいらっしゃるような気がしています。夏の不調の名残とこれからの季節の対策に、この商品は良いサポーターになってくれると思います。
今回は処方についてのお話をしましたが、商品自体のお話はまた次の機会に。
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