少し涼しさを感じられるようになってきた9月かと思っていましたが、今年の秋雨前線は粘り強い。湿度による蒸し暑さも再来。あとどのくらいこの前線が居座るのか、天気予報を確認する日々です。

・古本食堂 新装開店  原田 ひ香

神保町を舞台にした古書店のお話の2作目です。古書店の大きな転換期を迎える出来事が幾たびも起こります。改装、カフェの併設、ブックフェアなど古書店の転換。そして、店主は故郷への思いと、急逝した兄の残した本屋への思いで揺れ動く心境の変化。突発的に判断したように見える描写ですが、内々に思っていたことがあるきっかけで飛び出しただけだと思います。似たようなことを考えているので、どちらを選ぶか天秤にかける心情は理解できます。姪の思いもわかりますが、様々な経験を重ねてこれから先の人生をどう生きるか、走り出した店主を応援したい。そしてこれからの姪も。

今作も食と本の組み合わせで物語が進みます。多くの本が出てくるので、気になる本はメモメモ。弁松のお弁当は神田にいた頃の思い出の食の1つです。食べ物は懐かしい思い出を呼び起こしてくれます。

・やがて訪れる春のために  はらだ みずき

想定の絵が好みで買った本。”海の見える家”シリーズでお馴染みの著者です。今作は、成長と再生がテーマになっていると思います。入院した祖母から家の様子を見るよう頼まれた孫娘が主人公。祖母の家は幼い頃に住んでいた家で、その変わり果てた姿を見て記憶にある庭に戻そうと奮闘します。庭が生まれ変わっていく様子と主人公の成長が重なります。

途中、入院により祖母の認知機能が怪しいと思われる瞬間が幾度とできています。ある程度の年齢になる「〜だから仕方ない」と決めつけようとしますが、その短絡的思考がお互いの意思疎通を妨げていると気付かされるました。思い込みのフィルターを外して、相手の話に向き合って寄り添う。最近、自分が主体になりがちになっているなとハッとしました。やがて訪れる”ハル”には複数の意味が込められています。その答えは読んで確かめてほしい。

装画は大野八生さん。心惹かれる絵だなあと略歴を調べると、造園家としても活躍されているそう。続編の装画も大野さんでした。素敵な絵です。

・図書館のお夜食  原田 ひ香

図書館といっても、夜に開館する”夜間図書館”という珍しい場所が舞台になっています。実在する本の中から食事をピックアップして提供される夜食はどれも一風変わったメニュー。このメニューから、引用されている本を読んでみたくなりました。夜食がメインの物語と思いきや、図書館で起きる事件や従業員の事情が物語の展開に関わっています。夜食がメインというよりも物語のスパイスに加えているような感じに思えました。

最近の夏場は、夜営業をする施設が多くなっている気がします。夜間図書館・・・・探してみると全国にちょこちょこあるようです。日中とはまた違う雰囲気と静けさを味わえるかもしれません。

・北北西に曇と往け 続の1  入江 亜季

イチオシの漫画の続編が別の形で発刊されていました。長らく新刊が出ないなと待っていたところ、画集が新作かなと思って購入したのですが、これが新刊と知って驚き。サイズが画集のようなのです。移籍に伴い、サイズやページ数、掲載などの方法を変えたようです。理由など詳しいことはわかりませんが・・・約85ページですが、カラーページや紙の質感も素敵。ただ、大きさを揃えたいなと思うので、以前の形でも発刊してもらえないかなと思ったり。変わらず素敵なタッチの絵なので次作も楽しみに待っています。

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8月は千葉に大雨警報が度々発令され、特にお盆のニュースでは千葉県内の様子が多々見受けられました。幸いにも当店・家は被害にあうことなく済みましたが、歩いて10分ほどの場所は池のように冠水していたり、川のように水が流れていました。線状降水帯の名残を見ました。

ご連絡をいただいた皆様、お気遣いをいただきありがとうございました。

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