ようやく10月です。8月、9月と立て続けに線状降水帯や台風&秋雨前線の影響を受けた千葉。被害は各地で大小起こり精神的にも体力的にも疲弊されている方が多くいらっしゃいます。

そんな中、インフルエンザの流行やNTM症(非結核性抗酸菌症、肺MAC症)などの感染症も急増しています。心も体も疲れていると免疫力が落ちているので、感染しやすくなります。今月は今、使っておきたいお助け漢方をご紹介します。

ーーーーーー『補中益気湯(ほちゅうえっきとう)』

効能効果:体力虚弱で、元気がなく、胃腸の働きが衰えて、疲れやすいものの次の諸症:虚弱体質、疲労倦怠、病後・術後の衰弱、ねあせ、感冒

構成生薬:ニンジン、ビャクジュツ、オウギ、トウキ、チンピ、タイソウ、サイコ、カンゾウ、ショウキョウ、ショウマ

漢方処方TOP10の常連になっている『補中益気湯』は、様々な症状に使うことのできる万能選手の1つ。

補中益気湯の名前は、”中を補い、気を益す”という効能が由来。”中”は、胃腸(脾)を指し、”気”は元気・エネルギーを指します。”胃腸の働きを助け、元気を増やす処方”と言えます。

補中益気湯の中には『四君子湯(しくんしとう)』という処方の一部が入っています。

(↑補中益気湯に含まれる四君子湯の主要な生薬)

『四君子湯』はニンジン、ビャクジュツ、ブクリョウ、カンゾウ、タイソウ、ショウキョウから構成される胃腸を元気にする生薬の集まりです。気が不足しているタイプ(気虚)で胃腸に症状が出やすい方によく使われます。

四子湯よりも胃腸を動かし、胃内停水を除く力のある『六君子湯』があります。胃腸機能が落ちているなら、薬味も多いしこちらの処方を基本にした方が良いのでは?と思いますが・・・

『六君子湯』には四君子湯にチンピとハンゲが加わっています。チンピは気の流れを改善する理気薬、ハンゲは余分な水分を除く滲出化痰剤に分類されます。この効能から、気が不足している人や乾燥傾向の人に『六君子湯』を使うと効果がきつく感じてしまうことがあります。補中益気湯は、元気を取り戻すことを目標にしているので、チンピやハンゲの効果は必要ではなく『四君子湯』を基本にしたのではないかと考えています。ブクリョウが除かれ、オウギが主薬になっていることからも”気”に重点を置いていると考えられます。

ニンジンとオウギの組み合わせ(薬対)は”参耆剤”といわれ、体が消耗して衰えていたり、倦怠感のある場合に使う処方に入っていることの多い薬対です。そのため大病した後や入院後、手術後の回復に、補中益気湯や十全大補湯、人参養栄湯などの”参耆剤”の漢方薬はよく処方されるのです。

補中益気湯には、免疫機能の改善効果も確認されています。

この効果に、”オウギ”という生薬も一役かっています。補気薬ですが、体表(皮膚)のバリア機能を高める働きもあります。感染症は外から入ってくる邪気(外邪)が原因の1つで、体表をしっかりしておくとその外邪の侵入を防ぐことができます。そして胃腸を元気にしておくことで、腸から作られる免疫細胞が活動的になり、二重三重の感染症対策になるのです。

また、体表のバリア機能は体の内側から漏れ出るのも防いでくれるので、寝汗(ねあせ)に用いられることがあります。他にも補中益気湯にはいろいろな効果が確認されているので、幅広い症状や年齢層に使うことができ、よくご提案させていただく事が多い処方です。

これから乾燥時期になり感染症も勢いを増してきます。

暮れまでの忙しい時期を乗り越えたい方、受験生の方、高齢の方や同居している方、免疫が落ちていると感じる方に。

今から免疫力をしっかり整えて、風邪にかからない・かかっても軽く済むような対策を始めてみてはいかがでしょう?

補中益気湯以外にも、免疫力に欠かせない血流改善や冷え対策などの処方もご提案しております。

ぜひ、お気軽にご相談ください。

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