暦は大暑を迎え、蒸し暑い猛暑日が続いています。学生は夏休みに入り、街中もいつもと違う賑わいを感じています。
・杏のパリ細うで繁盛記 杏

(単独の写真を忘れてしまいました。画像は新潮社ホームページより)
この本と同時に発売された『杏のとことこパリ子連れ旅』はパリに拠点を移すまでのパリ滞在記(旅行?)を記録した内容でした。こちらの本は雑誌”波”で2024年~2025年に連載された内容をまとめた1冊。東京ーパリの2拠点生活を実行する行動力。挑戦する姿勢。粘りと情熱。経験が増え精神的にも安定してくる30代。振り返ると私も、仕事・生活の地盤共に大きく変えたのは30代でした。結果、やってみると意外となんとかなる。(もちろん周りのサポートあってのことですが。)
著者の座右の銘は『これでいいより、これがいい』だそう。”これがいい”とは、選択する自由と負う責任が丁度バランスが良いように感じる。どう選んだかがこれから先も幾度も続く選択を、きっと楽しく面白いものにしてくれるような気がします。
発売時には、”波”にヤマザキマリさんの書評が掲載されました。新潮社ホームページから書籍検索をすると掲載されています。併せてご一読を。
・本屋通いのビタミン剤 井狩 春男

著者は取次に勤務し、「まるすニュース」や『返品のない月曜日』を執筆しています。本の卸問屋と言える"取次"に長年勤務した経験から本のこと、本屋のことやそこに関するウラ話がたくさん詰まっていて、とても面白い1冊です。1980年代の本にまつわる話をまとめているので、当時の消費税導入、俵万智さんの『サラダ記念日』、吉本ばななさんの『キッチン』などの時事ネタに、今では見かけなくなったスリップについて、知らなかったカセットブックの存在などなど本に関係するあらゆるところからネタを見つけ、ユーモアたっぷりに書かれているので、全ての”本好き”に知らせたい本です。
古本を買うとたまに挟まれているスリップ。当時本を買うたびに抜かれてしまい、それゆえに欲しかった記憶があります。懐かしくて今は栞代わりに使っています。
・旅行者の食卓 米原 万里

食にまつわる本は数多くありますが、ここまで蘊蓄が盛りだくさんの本は珍しいと思います。通訳として世界各国を渡り歩いただけあって食べたものについての話も世界各国から。体験や童話を、様々な引用を加えて独自の視点で解釈した全37編のエピソード。特に第二楽章はお気に入りの話。日本や外国の童話や物語に出てくる食べ物に対して、その時の時代や土地での影響力を史実を交えて解釈。なぜわざわざそんなことを?実は童話や寓話には、教訓のほかに時代や社会風刺が隠されているものも多い。そして矛盾も。当時の社会情勢や矛盾の面白さに知ることができ2度美味しい章になっています。
また、日本人ならでの伝統食(納豆や漬物、甘い煮豆など)は外国の方にとって謎な部分でも、私たちには欠かせないもの。国や食習慣によって食をのネタにするジョークや笑いのツボの違いが面白く感じます。”旅行者の朝食”という題名の答えもエピソードの中にありますよ。
・親父はニーチェ 高橋 秀実

認知症の実父と過ごした436日の記録です。哲学書や医療関連の膨大な資料を読み漁り、苛立ちや喪失感を昇華させていく。その”言葉”を使いながら、ノンフィクション作家である著者が得意とするインタビュー形式での実父との向き合い方が描かれています。
あとがきの中で、”認知症は病気ではありません。それは個人の症状でもなく、人間関係における次元のズレではないだろうか”という著者の考えがスッと入り込んできました。年を追えば誰しも”物忘れ”は起きてくるものとわかっていても、会話の中でモヤっとする時はある。そんな時にこの次元のズレが起きていると思えられれば、もう少し優しく接することができるのかもしれない。ズレを調節し擦り合わせる作業をすれば良いのだけれども、相手との記憶が多ければ多いほど、割り切るのは難しそうです。それには今までの記憶を置いておく寂しさと勇気、努力も必要になるはず。
認知症とボケ。程度の違いはあれ、誰しも必ず通る道の1つ。身近な人だからこそ、新たな関係性を築くことが介護を続ける1つの対応方法なのかもしれません。そして、そこには愛情がなければとても向き合えることではない。与えられてきたものを今度は与える側に。いずれくるであろうその時まで、何度も読んでおきたい1冊になりました。
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すでに酷暑日と言える気温になり、朝晩も蒸し暑さが残る時期になってきました。汗が出るようになったのは代謝が良くなったのか、年齢のせいか・・・この夏も無事に乗り切れるように外出は控えて、休日は近隣の図書館や本屋さんに行き自宅でゴロゴロする日が増えそうな今年の夏が始まります。熱中症対策もですが、ゴロゴロ太りにも気をつけなくては。
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