夏の盛り真っただ中。エアコンを入れない日はないほど酷暑日が続いています。冷えやすい体質なので、エアコンの冷気で足が冷えやすい。少し胃腸の調子が芳しくない日が出てきました。夏の胃腸トラブルに対する処方を今年も1つご紹介します。

ーーーー『藿香正気散(かっこうしょうきさん)』

効能効果:体力中等度以下のものの次の諸症:感冒、暑さによる食欲不振、急性胃腸炎、下痢、全身倦怠感

構成生薬:ビャクジュツ、ブクリョウ、ハンゲ、チンピ、コウボク、ビャクシ、キキョウ、カッコウ、ソヨウ、ダイフクヒ、タイソウ、カンゾウ、ショウキョウ (※カッコウ・ダイフクヒが画像にはありません)

この処方は胃腸型の風邪に用いられることが多く、暑気あたりや冷飲食による胃腸の不調に効果があります。

この”正気散”、他の処方名に使われています。答えは『不換金正気散』です。名前が似ているだけあって、構成生薬も似ています。というのも、『不換金正気散』にソヨウ・ビャクシ・ダイフクヒ・キキョウ・ブクリョウの理気剤や利湿・利尿剤を加えたものが今回の処方になっているのです。

理気薬は胃腸の機能と密接な関係があり、気の滞りがあると腹部の痛みが起きやすくなります。理気薬には整腸作用や健胃作用、鎮痙・止嘔の効果を持つ生薬が多く含まれています。また、利湿・利尿薬を更に加えることで、胃腸に溜まった余分な水分を出す働きを強めています。

『不換金正気散』の投稿

今月の漢方 ー10月ー

ようやく秋も深まり、涼しさを感じるようになってきました。秋と言えば、食欲の秋。昔よりも旬を迎える野菜や果物が早くなったように感じますが、秋は好きな食べ物が多い…

どちらの処方の基本骨格は『平胃散』です。胃腸機能が落ち、水はけが悪い状態になっている場合に用いられる代表的な処方。

『平胃散』の過去の投稿

今月の漢方 ー7月ー

今年は特に遅い梅雨入りでしたが、本当に梅雨なのかな?と思うほど関東の雨は今のところ少ないような・・・後半になると変わってくるのでしょうか。 先月は湿度による痛み…

基本骨格である『平胃散』に、利湿(化湿)薬や健胃作用のある薬物を増やした処方が『不換金正気散』。元々、胃腸機能が落ちていたところに、冷飲食やエアコンなどの冷えから更に胃腸機能低下を悪化させてしまった状態に使うのが『藿香正気散』と言えます。

『藿香正気散』には、”桔梗”が入っているのも特徴的です。桔梗は、鎮咳去痰、排膿作用があるので風邪や化膿性疾患の漢方薬に含まれることが多い生薬です。ここでは、どういった効果を期待して加味しているのか。桔梗には、薬効を上に引き上げる効果や大腸の機能を調節する働きがあるとも言われています。今回の処方では用量が少ないのでサポートとして働いていることから、このような働きを期待しているのではないかと考えています。

元々胃腸が弱い方・夏風邪を引きやすく下痢しやすい方は、予防としてこれらの漢方薬を服用しておくと良いと思います。冷飲食の摂り方、エアコンによる冷え対策などを今から行っておくと、秋口の体調不良に備えることができますよ。

【小話】

調べ物をしていると、”夏の盆には和中散 暮れには屠蘇散”という言葉を見つけました。暮れの屠蘇散はなじみがありましたが、”和中散”という存在を初めて知りました。

この”和中散”という薬は胃腸薬で、徳川家康の腹痛を治したことで江戸時代に全国的に有名になった薬だそう。枇杷葉や桂枝、辰砂、木香、甘草などを使っていたようですが、明確なところは分かりません。薬機法の制定により製造販売をしなくなりましたが、旧和中散本舗として当時の建物が滋賀県・栗東市に残っています。貴重な資料が残っていそうで、行ってみたい場所がまた増えました。

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【お知らせ】

2026年8月8日から17日まで夏季休業いたします。

※12日(水)は時短営業いたします。(営業時間:10時~16時)

※15時以降のご注文につきましては、翌営業日以降の発送となりますので予めご了承下さい。

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